転職者採用の面接で求められること
中途採用においてはイチから育てる新卒の採用と異なり、即戦力を求めたり、今後の事業展開においてキーパーソンとなるような有能な人材や、他の経験を活かしてチームをまとめたりするマネジメント能力のある管理職などを求めて求人募集をされる企業が多いことでしょう。
そのため、新卒のように社会人としての礼儀やマナーがあるかや、やる気があるかといった基本的なところや抽象的な項目をもとに採用面接を行うのではなく、採用の目的や欲しい人材の人物像を明確にして臨む必要があります。
面接官ごとにぶれがないよう、質問票や面接評価シートなどを準備するとともに、面接官の主観が入り込まないよう、人手不足や日頃の業務で忙しい中小企業であっても、経営者や人事担当者1人だけ担当するのではなく、できるだけ2人以上で採用面接を行うことが大切です。
転職者向けの良くある質問1
「マネジメントの経験はありますか?」
管理職の養成やチームなどをまとめる人材を採用したい場合や、30代半ば以上の年代で転職する方の中途採用にあたっては、マネジメント能力を求める企業が多いため、面接で確認を行います。
面接では多くの応募者が転職を成功させるために、経験がないのにあるといったり、実績を誇張して話したりする場合もありますので、より具体的な話を聞けるかや、自分の実績に対する自己評価なども含めて、応募者のリーダーシップ力がイメージできる納得の回答が得られるかがポイントになるでしょう。
業種や職種、現在勤務している会社の規模などにもよりますが、10年以上の経験を持っていながらマネジメント経験が全くないという場合は能力に対する疑問も生じかねません。
管理職経験がない場合でも新人への指導や、チームのリーダー的な役割を果たしてきたなど、何らかのリーダーシップ経験が求められる年代です。
もし、マネジメント能力経験がない場合は、それに匹敵するだけのスペシャリストとしての能力があるのかが気になるところでしょう。
転職者向けの良くある質問2
「部下や後輩に指導する際に心がけていることは?」
近年はパワハラ問題をはじめ、部下がストレスやプレッシャーを抱えて休職や離職したり、自殺したりといったことが社会問題化しています。
こうした問題の事前防止と会社の信用維持、そして、中途採用者により職場に新しい風を吹き込んでもらい、より働きやすく効率的な職場環境へと改善していけるよう、部下や後輩への思いやりを持ち、次世代を担う人物を丁寧に育てる気持ちを持ってマネジメントができるか人物であるかを問いかけるものです。
この問いへの回答によって、部下への指導力を持っているかと同時に、応募者の人間性をも見極めることが可能となります。
日頃から職場でのコミュニケーションで心がけていることを具体的に話してもらうとともに、その結果どのような成果が生まれているのかを確認できると、より判断しやすくなります。
中途採用者が新たな職場で良好な人間関係を築きながら、既存の従業員や上司、部下と会社の事業に貢献していくことができるかを見極める判断材料となる問いかけの1つといえるかもしれません。
転職者向けの良くある質問3
「業界の10年後はどのようになっていると考えますか?」
どの業界であっても既に成熟期に入っているケースが多く、日本のマーケットにおいては少子高齢化による人口減少により市場は先細りにあります。
そのため、新たな視点での展開や世界に目を向けたグローバル展開が求められる中で、これまで経験してきた業界の将来予測ができているかを確認する質問となります。
業界の展望を予測できる人は、日々の業務でも先を見通しながら仕事ができる人であり、リスク対策をしっかりしながら、業績アップや収益拡大に貢献できる人物といえるのではないでしょうか。
この問いに対する回答によって、自社への入社意欲がどのくらいあるのかや、その業界に対する思いや情熱、即戦力になる人材かどうかを見極めることが可能となります。
30代半ばにもなれば、業界経験は既に15年程度はありますので、この年代や経験豊富なはずの応募者が業界の展望を語れない場合や、面接官が納得できる回答が得られない場合、中途入社しても短期間では戦力になることができないかもしれません。
また、そもそも、本気で入社を考えていない可能性が残りますので注意が必要です。