HRニュース 事務局からのお知らせ

管理職の人材アセスメントに役立つインバスケット演習

管理職の人材アセスメントに役立つインバスケット演習

インバスケットとは何のこと?

インバスケットとは、管理職など決済をする立場にある人のデスクによくある未処理と処理済み書類を分けて入れるケースのことをさします。
人材アセスメントの1つの方法として昇進昇格テストとして、インバスケットゲームが活用されています。
日本語で分かりやすくいうと案件処理演習といったもので、未処理箱を利用したケーススタディでテストを受ける人の問題処理能力や臨機応変な対応力などをアセスメントするものです。
制限時間が設定される中で、部長や課長などの役職の立場として未処理箱の案件処理を行う過程を考察します。
20件前後の未処理案件が渡され、実際に決済する立場になったとしてどう処理するのかを見定め、その判断力や対応力などが役職者に昇格するのに適したレベルに達しているかをアセスメントするものです。
テストを受ける方に求められている能力やプロセスとしては、各案件の情報を限られた時間で分析して重要度や緊急度などをラベル分けし、部下への指示や上司への報告や指示を仰ぐなどの対応をとっていきます。
これまで培ってきた経験やノウハウ、学んできた知識などを駆使しながら、その場でシミュレーション演習のように案件の判断をこなしていかなければなりません。
もっとも、インバスケット演習にはパーフェクトな正解解答はないので、その様子を観察し、出された結果や指示をチェックしながらアセスメントを行います。
管理者としての問題分析力や要因分析力、意思決定能力は発想力や創造力をはじめ、部下や組織を統率するマネジメント力や計画策定力、統率力のレベル、スピーディーかつ的確な業務遂行力や自己管理力などのアセスメントをするものです。

インバスケットを使った人材育成プログラム

インバスケットを使った人材育成プログラムとは

インバスケットによるシミュレーション演習は、役職への昇格試験として活用することもできますが、管理職育成のための継続教育やステップアップ教育の一環としても活用できます。
研修として演習を実施する場合にはアセスメントに対するレビューをして、さらなる能力アップに各人が活かせるよう、演習実施前のマネジメント能力を事前に自己評価や客観評価をしておくことがポイントかもしれません。
事前の自分のレベルが分かることで演習を実施することで、各自が思考のクセやよく行う行動パターンを振り返ることができるからです。
レビューを行い、改善ポイントや強化すべきポイントを明確にすることで、組織のコーディネート役となれる優れた管理職の育成に繋がり、本人も自信を持って役職への昇進ができるでしょう。

どのような能力を見極め習得できる演習なのか

インバスケット演習を通じて課題が与えられた状況下において管理職としてどのように行動したら良いか、意思決定と業務統制に求められる実践的なスキルの現時点でのレベルが明確化でき、演習を重ねることで実践的に身に着けることもできます。
案件は業種や職種ごとに作成された市販の演習問題を利用することもできますし、組織に合うようにカスタマイズすることや実際によくあるケースや今後想定される事例などを含めて案件を用意してもかまいません。
評価者をはじめ、実際の職場のような設定で臨場感のある環境で、上に立つ者として、優先順位をつけながら何をどう考え、どのように行動すべきかといった、管理職に求められる思考能力や行動開発にも役立ちます。

インバスケットのやり方

インバスケット演習のやり方も様々なスタイルが考えられますが、研修も兼ねて行う場合なら管理職昇格対象者などを集め、一人ひとりのインバスケットの実践、それぞれの処理結果や指示内容を観察してのグループ討議を行い、その報告を兼ねたプレゼン、それに対する講師からのコメントとどのような処理を求めていたかといった解説などを行います。
単にテストを受けるのではなく、振り返りの時間や他者から助言や意見をもらうことや他人が演習をこなす様子を観察してどのような決断や行動をしているのかも知ることができ、自分の判断や行動にも活かしていくことができるのもメリットです。
研修が終了したら、演習の個人処理データをもとにアセスメントレポートを作成しましょう。
そのうえで、本人にフィードバックをして、現時点での強みや弱み、今後の能力開発における課題についてアドバイスを行い、さらなる高みを目指してスキルを磨くモチベーションへと繋がてもらうのです。