メンタルヘルスケアの必要性と重要性が高まっている
近年、仕事の過酷さやプレッシャー、職場での人間関係やパワハラ、セクハラといった問題に悩み、メンタルヘルスを病む方が増えています。
うつ病やパニック障害、統合失調症などの精神疾患に罹患して休職したり、会社を辞めてしまったりするケース、出社拒否など引きこもってしまうケースをはじめ、酷い場合には自殺といった事態を招くため、会社としてもそうならないように予防対策が求められています。
ニュースなどでも過酷な残業や働き過ぎ、上司からのプレッシャーなどで自殺をした社員が問題となり、遺族が会社や上司を訴えて訴訟を起こすケースなども増えています。
会社としてはリスク対策や会社の信頼の失墜防止を図るとともに、安心して働ける環境作りや働き方改革などを通じて、従業員の離職防止や応募者が減るといった採用ダメージを防いでいくことが求められています。
その一環として、メンタルヘルスケアを行うことも重要性を帯びています。
部署やチームでの声かけ
メンタルヘルスケアのもっとも基本的なステップは、職場内での声掛けや気付き、気遣いを広げていくことです。
部署やチームを統括する上司は部署やチームメンバー全体の働きぶりをはじめ、表情や様子をチェックして違和感がないかや困っているところがないかを観察したり、実際に声をかけて確認したり、部下のほうから相談しやすい環境作りを行っていきます。
「困っていることはない?」「悩んでいることはない?」といった声掛けをはじめ、日々の笑顔での挨拶や業務の指示や指導を通じてコミュニケーションを図ることで、風通しの良い職場作りを図り、1人で悩まない、1人で問題を抱えこまないような職場環境作りをすることが大切です。
個別面談によるヒアリング
多くの同僚や先輩が働いている現場では、声を掛けられても言うに言えないということもあるでしょう。
そのため、定期的に機会を設けたり、何か気になることがあれば、個別にヒアリングや面談の機会を設けたりすることも大切です。
日頃の業務の中では忙しかったり、他のメンバーの目を気にして相談できなかったりすることも、個別なら話せることもあるからです。
これによって早期に問題の芽を摘むことが可能となるでしょう。
専用のカウンセリングルームや専門カウンセラー
パワハラやセクハラをはじめ、職場の人間関係などで悩んでいる場合、チーム部署内では相談ができない、問題が解決しないケースもあります。
また、働き方に問題がある場合も、いくら訴えても部署内では解決してもらえない場合もあるでしょう。
さらには既にメンタルヘルスに支障が生じてきている場合は、職場の上司や同僚への相談では解決ができません。
そこで、専門知識とノウハウがある専門家に相談ができるよう、カウンセリングルームや心理カウンセラーなどの有資格者を社内に準備しておくこともメンタルヘルスケアの重要な対策になります。
産業医によるケア
心理カウンセラーを常駐させる企業も増えていますが、産業医による定期健診や個別面談によるサポートを用意する会社も少なくありません。
産業医は個別で相談に応じてメンタルヘルスの症状改善や回復に向けたアドバイスをしてくれるだけでなく、会社や部署、上司などに対する指導や提言などを行う権限も有しています。
定期的に来社してもらい、予約制や順番で定期的に産業医と話せる機会を用意することで、大きなトラブルが生じる事態が防げるかもしれません。
リフレッシュサポートや福利厚生の充実
メンタルヘルスケアには職場内や専門家による相談やアドバイスだけでなく、心身のリフレッシュをして心を穏やかに保てるようサポートする体制作りが重要となってきます。
有給休暇の取得を促進する、必ず有給休暇が取得できる環境を整える、一定時間以上の残業を禁止する、残業が多すぎる方をチェックしてなぜそうなっているのかの確認や改善できるために上司やチームを含めた指導を行うことをはじめ、会社全体でノー残業デーを設けるなどの体制作りも大切です。
また、リラクゼーションルームを設けて仮眠ができる、マッサージチェアで休める、整体などが受けられるといった福利厚生や、心身のバランスを図れるための栄養バランスに優れた社食の提供、社内のコミュニケーションを促進するためのイベントなどの開催など福利厚生の充実も有効です。
ストレス解消やリフレッシュできる環境を整えることも、企業に求められる時代なのです。