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メンタルヘルスのプロフェッショナルとなる国家資格保持者とは

企業に求められるメンタルケア

昨今、企業ではどの程度ストレスを感じているかをチェックするストレスチェックという制度を導入するところが出てきました。
国からの指導によるものですが、匿名で受けることができますので、客観的に自分がどの程度ストレスを抱えているかを自分で知ることができます。
ただ、かなりストレスが溜まっているとわかっても、自ら会社に改善を要求しない限り何も変わらないままなので、実際のところ波風たてないように我慢して頑張っている人が多いと言えます。
とはいえ、やはりつらいものはつらいので、心療内科を受診する人が増えているのが実情です。
心療内科に通って、気持ちを落ち着ける薬を処方してもらったり、カウンセリングを受けたりして、なんとか心のバランスを取っていることが多いのが現代社会と言えます。
そのため、企業に義務付けられている健康診断の他に心のケアもすべきだという声が多くなってきました。
これが、いわゆるメンタルヘルスと呼ばれるものです。

メンタルヘルスとは

メンタルという言葉はすっかりおなじみになり、気持ちや心の持ちよう、あるいは考え方や感じ方といったことまで含めて使われます。
いわゆる体の健康のことではなく、心の健康を表しています。
ヘルスを健康と訳すなら、文字通り心の健康ということになり、企業は体の健康診断と同時に心の健康診断も行い、社員それぞれの心の状態を知っておくことが重要と言われるようになりました。
体に起こる不調は、往々にして心が元気をなくしていることやストレスによって生じることがほとんどだからです。
メンタルヘルスと聞くと、精神疾患を患う人のための医療というイメージがありますが、精神疾患がなくても心が健康かどうかには差があります。
仕事の効率から、職場に与える影響まで大きく左右される要因になるからです。
もし、社員の中に毎日仕事には来ているけれど、前に比べて快活さがなくなったとか元気がなくつらそうだという人がいたら、そうした人を助けられる人材が必要です。

メンタルヘルスを担当する国家資格保持者とは

心療内科では心を専門に診察する医師や患者から話を聞く心理カウンセラーが、患者に対応します。
心理カウンセラーは国家資格ではなくて民間資格ですので、心療内科によってはいない場合もあります。
ただ、カウンセリングで胸の内に溜め込んでいたものをはき出させるだけでも気持ちが楽になるという人は多いので、話を聞いて欲しいという人に心理カウンセラーがいるところが適しているでしょう。
とはいえ、医師が十分な時間を取って話を聞いてくれるなら、話を聞いた結果、薬を処方する必要があるといった診断を下したりといった、医療面でのアプローチが可能です。
そのため、メンタルヘルスを担当する国家資格保持者の一番は、やはり医師でしょう。

精神関連を専門に診る医師

ストレスで胃腸の調子が悪いといった程度であれば、かかりつけの内科医師でも安定剤を処方して対処してくれます。
ただ、本格的に心を病んでしまうと、医師の中でも精神医学に特に精通した精神科専門医か、精神科専門医の中からさらに厚生労働大臣が指定した精神保健指定医が、国家資格を持っている中で最も専門的な医療的観点からメンタルヘルスを担当できると言えます。

看護師にも当てはまる国家資格

看護師にも、メンタルヘルスを担当するにふさわしい資格を持っている人がいます。
看護師資格の上に、さらに保健師資格を持っている人は、役所や学校では健康管理に当たるほか、様々な相談にものってくれるのが特徴です。
病院においては、看護師と連携して仕事にあたるため、国家資格といえども看護師資格だけではできない仕事を行うことができます。
産業看護師と呼ばれる看護師の場合、企業に常駐して従業員の健康管理を担当しますので、体の健康診断はもちろん、メンタルヘルス対策を会社の経営陣と相談しながら進めていくことになります。
産業看護師は社員として雇用されることが多いため、経営陣に臆することなく物申すことができる人が望ましいと言えます。

法律面からの専門家も必要

法律面からメンタルヘルスを担当できる国家資格保持者としては、労務や社会保険の専門家として、大きな企業であれば必ず連携を取っているはずの社会保険労務士が挙げられます。
休職や復職といったさまざまな手続き面でも相談できるメンタルヘルスに対応できる国家資格保持者で、会社はもちろん社員にとっても頼もしい存在となるはずです。