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公務員においても人事評価制度の改革が行われている

公務員においても人事評価制度の改革が行われている

国家公務員における人事評価制度の見直し

国家公務員における人事評価制度は職務を遂行するにあたって発揮した能力と成果である業績を把握した上で実施される勤務成績の評価と位置付けられます。
国家公務員においても民間企業と同様、能力・実績主義の導入が推進されており、人事評価の目的も任用や給与、人事管理の基礎となる手段となり、かつ、人材育成の側面も担っています。
また、評価プロセスにおいて評価者と対象となる公務員とのコミュニケーションを通じて、組織内の意識の共有化や業務改善にも資することが目指されているのも特徴といえるかもしれません。
人事評価プロセスを無駄にせず、活力ある公務組織の実現や効率的な行政運営に寄与させることも目的に掲げられているのです。

人事評価制度の導入に至った背景

国家公務員における人事評価制度の見直し

行政ニーズが高度化、複雑化、多様化が進むとともに、求められるニーズや複雑化や深化の変化スピードがますます速くなっています。
こうしたスピード社会において国民のニーズや期待に応え、適正かつ効率的な行政サービスを提供し続けていくために、担い手となる公務員の在り方や育て方にも変革が求めらていることが制度導入に至った理由の1つに掲げられています。
一方、公務員として働く側からも従来のように多数の職場を経験しながら年功序列的に昇進していくのではなく、専門性を向上させたいというニーズや多様なキャリアパスが求められてきました。
多様なワークスタイルへのニーズも高まるなかで、従来の採用試験の種類や年次等を重視した任用や給与処遇といった画一的な人事管理ではなく、個々の能力や実績を的確に把握、評価して適材適所の人材配置やメリハリのある給与処遇を行っていくことが、スムーズで効率性の高い行政運営に繋がると考えられたためです。
このような時代背景を踏まえ、国家公務員にも能力・実績主義の人事評価制度を導入することを目的に、国家公務員法等の一部を改正する法律が平成19年7月6日に公布されました。
改正法の施行は平成21年4月1日ですが、人事評価が本格的に実施されたのは平成21年10月からとなっています。
評価手法としては職務遂行能力と勤務成績を基にした能力評価と、遂行したことで上げた業績に基づく業績評価を定期的に実施しするといった内容で、評価対象期間中の職務行動や業務の達成状況を予め定められた評価基準に照らして絶対評価で実施されます。

地方公務員における新しい人事評価制度導入

地方公務員においても地方公務員法の一部改正により、能力及び実績に基づく人事管理の徹底の項目が盛り込まれ、能力本位の任用制度の確立や人事評価制度の導入などが規定されました。

改正法は平成26年5月に公布され、平成28年4月より施行されています。
改正法では任用、給与、分限その他の人事管理の基礎に人事評価を利用することが明確化されたことから、これまで以上に人事評価と人材配置の整合性や納得性が求められることになりました。
評価プロセスが重視される傾向となり、評価者はもちろんのこと、評価対象である地方公務員各人の自己評価と、評価者との面談を通じて対象者の意見も取り入れながら、納得性の高い人事評価を目指すことになっています。

納得性の高い人事評価を行うことは、公平で透明性の高い相互に納得感のある公正処遇に繋がるのはもちろんですが、能力開発や能力活用に結びつくと考えられています。
適正な評価によって適材適所やより能力を発揮できる機会を与えることで、各人のモチベーションアップが図れ、職場の活性化にも繋がるからです。
そこで、人事評価の結果をどのように人事管理に活かしていくかが重要なポイントになるといえるでしょう。
まず、上司が部下の能力や行動などの仕事ぶりとその結果を評価することで、各人の優れている点を認識してより適性が発揮できる部署や職種、役職などに活かすことができます。
一方、劣っている点や弱点があれば、適切な指導を通じて、より適性な行政サービスの提供へと改善していくことに繋げられます。
つまり、各人の処遇のためではなく、人材育成と能力の活用を通じて、地方公共団体の各役所の業務効率を上げ、地域住民に資するよりよいサービスへと繋げていくことが期待されているのです。
そこで、人事評価の目的としては、地方公務員の主体的な職務遂行や自己啓発を促すとともに、地方公務員の人材育成と組織の活性化を図ることが掲げられています。
適材適所の人事配置や給与や待遇への反映など、能力実績に基づく納得感ある人事管理を推進しながら、主体的で自律性の高い地方公務員の育成を図り、行政サービスの向上を図ることも重要な課題と位置付けられています。