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人事評価はどのように書くのがいいのか評価者の心得

人事評価はどのように書くのがいいのか評価者の心得

人事評価は部下にダメ出しするものではない

評価を下すというと、どうしても悪い点や減点ポイントを見つける、部下に対してダメ出しをするイメージが持たれがちです。
ですが、悪いところを見つけて指摘するだけの評価や、目標が達成できていないと結果だけを見てコメントをするような評価では、部下のモチベーションも下がり、生産性が上がりません。
個々の意欲や生産性の低下はもちろん、チームや部署、組織としての生産性も落ちることに繋がります。
さらに最近は評価の仕方いかんでメンタルヘルスを病んでしまう場合やパワハラといった問題にも繋がるリスクも少なからずあるでしょう。
そのため、部下のやる気をそがず、士気を高めることができ、次の目標へと向かわせるような評価コメントを書くテクニックやノウハウを評価者が身に着けることが大切になります。

人事評価のコメントに求められる役割

人事評価のコメントに求められる役割を知る

人事評価制度では目標を達成したかを定期的に確認するという仕組みがありますが、その際の評価者のコメントは単に目標が達成できて良かったとか、達成できなかったからもっと努力せよとか、努力が足りないと叱責するためのものではありません。
人事評価シートのコメントを通じて、部下のやる気や向上心を高められるものでないと、組織力の底上げや企業の持続的成長の歯車としての役割を持つ人事評価制度の醍醐味が発揮できません。
人事評価シートのコメントが適切でないと、部下のモチベーション低下に繋がるだけでなく、人事評価制度を導入している意味さえ失われてしまいます。
そのため、評価をされる従業員が個々に目標を立てて成長をしていくだけでなく、評価をする管理職も評価のスキルを上げるためのトレーニングを積み、努力をすることが求められるのです。

評価コメントの書き方のポイント

評価者が評価コメントを書く際に抑えておきたいこととして、見下したり、悪い点ばかりを取り上げたりするのではなく、仮に目標が達成できなかった場合でも良い面がないかを探しながら、ひいき目などもせずに公平に書くことがまず求められます。
一方、目標を達成した場合も単に褒めるのではなく、次の目標設定や今後の成長や努力に繋がるよう、達成する過程での課題を見出し、足りない部分や改善点の指摘を行って、さらなる成長を促すようにしましょう。
また、部下が設定した目標に対してコメントを書くにあたっては、できる限り具体的に分かりやすくを意識しましょう。
部下がその評価に対して納得感を抱き、どのような点が評価され、どこが足りず、今後どのようにすればいいかの指針が得られるような内容出ることがポイントです。
とはいえ、だらだらと説明するのではなく、端的に分かりやすく述べることも求められます。
分かりやすくといっても、ストレートすぎる表現やキツイ言葉遣いは避け、部下のやる気を損なうような表現は避けましょう。
基本的に目標を達成した人も達成しなかった人に対しても、良かった点と改善すべき点を常にセットで記入するように努めるとバランスがとれ、達成度を問わずに次の目標を見つけて、モチベーションを高めることに繋がります。
評価コメントによって評価を受けた部下がそれぞれ、評価された期間の行動や結果を振り返り、自身での長所や短所、強みと弱点に気付き、今後の成長に結びつけるようになれば成功と言えるかもしれません。

評価を受ける側の書き方

評価期間の終了にあたり、目標達成度やそれに対するコメントを評価される人が人事評価シートに記入する場合、どうしても評価されるからということを意識してしまいがちです。
つまり、昇給や昇格を意識し、仕事をやっていなかったなどと思われたくないと良い面ばかりを誇張して、自分の弱みを出せない人が少なくありません。
人事評価シートはその期間の目標達成度合いや自己の成長について上司に報告する場であるとともに、普段、忙しく思ったようにコミュニケーションがとれない上司と1対1での重要なコミュニケーションの機会でもあります。
こうした工夫をして努力をしたが目標が達成できなかった、目標は達成できたけれどもこの点が気になっていて、もっと改善の余地があるのではと思ったなど、困っている点や課題を書いておけば、上司もそれに対してアドバイスや指針を与えてくれるでしょう。
つまり、人事評価制度を本来あるべき形として運用していくうえでは、評価者も評価を受ける側も、記入のポイントを押さえて、適切な言葉でコメントし、フィードバックを返すことが大切です。
人事評価制度の本来の目的とは、人事評価制度を効果的に活用することで、従業員のモチベーションアップや業務効率の向上、会社の業績アップをもたらすことです。