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人材アセスメントの評価法の具体例

人材アセスメントの評価法の具体例

人材アセスメントによる公平で的確な評価の実施

人材アセスメントは事前に求める人物像の能力や人柄などを定義したうえで、研修での行動観察やロールプレイやシミュレーションなどの演習、心理テストの実施や評価担当者面接などを通して、対象者の言動や行動、態度などを把握して事前に設定した人物像にマッチするかを評価するという手法です。
企業の中で管理職登用や人事配置を行うにあたって、社員の潜在的な性格や適正を事前に評価することで、ミスマッチのない人材マネジメントを実施するために行われます。
企業内部で過去の業績や働く態度などを見て行う人事評価は、将来の適性までは評価が難しく、あくまでも期待値に終わってしまいます。
これに対して人材アセスメントは通常、外部の専門家や第三者機関、専門会社に依頼して行われるため、客観性や公平さが保たれ、社員の納得感も得られやすいという特徴があります。
多くの企業においては管理職選抜のため採用されてきましたが、近年は新卒の配属先を決めるために新人研修中に実施される場合や若手層から有能な人材を早期に見極めるために導入する企業も少なくありません。

人材アセスメントはどのように評価が行われるのか

人材アセスメントはどのように評価が行われるのか

人材アセスメントの代表的な評価プロセスとしては、研修施設やホテルなどに管理職候補や新入社員などの対象者を集め、2日、3日程度の宿泊研修を実施します。
短期集中の研修のなかで、一定のテーマや課題が与えられてグループディスカッションを行い、インタビューシミュレーションやインバスケットなどのシミュレーション演習を実施します。
この演習の間、専門家や専門機関から派遣された講師が対象者それぞれの行動や言動、態度などを観察、記録し評価を実施するのです。
誤解したくないのは、人材アセスメントはあくまでも行動などを観察するための研修であって、試験ではないということです。
そこでよい言動をしたとか、解決策を提示したから合格とか、一番目立ったから部長に昇格させるといった話ではありません。
専門家や講師は会社が求める人物像に照らして、この人物はそれに適する適性があるかを評価するのであって、優劣をつけるわけではないのです。
そのため、研修の実施にあたっては講師の説明はもちろんですが、実施する会社側でも求める人物像を明確に提示し、何を求めているかを具体的にすることが大切になります。
対象者も昇格や昇給、希望の人事などをゴールにするのではなく、求められる人物になるにはどう自分を高めればいいのか、足りない能力は何かなどを考えながら、自分が管理職や求められる立場になったときにどう行動するかを踏まえながら研修を受講するのが望ましいでしょう。

適正な評価を行うために大切なこと

人材アセスメントを効果的に実行し、企業にとっても対象者にとっても納得できるものとするためには、実施にあたって大切となるポイントがあります。
それはその企業や求める人材に合った評価項目の作成や設定と、評価するための行動を引き出すシミュレーション演習の設計、そして正確な評価ができる専門家や講師への依頼です。
まずは、適正な評価項目を設定するために企業で求める職務に適した能力や行動を明確にしましょう。
たとえば、積極性や自主独立性、感受性や分析力、決断力などの項目が挙げられます。
企業風土や業種、職種や役職によって違うので、それぞれ検討をします。
せっかくコストや時間をかけて人材アセスメントを実施しても、評価項目が見合っていなければ意味がありません。
適切な評価項目を設定できたら、評価したい行動や能力を引きだすシミュレーション演習の設計を行います。
これは専門会社や第三者機関のノウハウを借りることができますが、評価項目を踏まえて心理学的に設計された良質なシミュレーション演習を設計できる機関に依頼することも重要なポイントといえるでしょう。
人材アセスメントの評価を実際に実行する専門家や講師の質はとても重要です。
シミュレーション演習を通じて発揮された言動や行動、表情や声のトーン、ふとした仕草や行動のくせ、身だしなみなどあらゆる情報を観察してつなぎ合わせながら、対象者各人の仕事に対する傾向やマネジメントスタイルなどを検証、評価します。
そのため、一人の評価者だけだでは、社内内部の人事評価のように、偏りが出てしまう傾向があるため、講師も複数で担当し、チームを組んで偏りがないように実施されるのが望ましいでしょう。