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人事評価に不満を生まず組織力を高めていくためには

人事評価に不満を生まず組織力を高めていくためには

人事評価に不満が出ると組織力も弱まる

昇給や昇格、人材配置などのために毎年一度など定期的に実施される人事評価ですが、その評価やそれに基づく人材配置に対して納得がいかない、不公平だといった不満が従業員から上がれば、組織力は低下します。
自分の能力が評価されていない、自分の能力に見合った仕事を任せてもらえない、自分より能力の低い人が高い役職につき、高給をもらっているなどと不満を持たれたらどうでしょうか。
仕事へのモチベーションが下がる、他のメンバーと協力し合わなくなる、職場全体がギスギスして全体の士気が下がるなどするかもしれません。
これによって組織力や生産性が低下し、会社の業績にさえ響くことになります。
人事評価への不満が高まれば、離職する人やライバル企業などに転職する人なども現れ、有能な人材の流出リスクも生じます。
そうならないよう、人事評価にあたっては評価基準や制度や評価者の品質を保ち、不公平感のない基準で精度の高い運用を確保する必要があるのです。

人事評価制度は客観的なのか

人材アセスメントに正解はない
人事評価を行ううえでは一定期間ごとに目標を決めて、目標の達成ができたかや、どの程度の実績を残せたかなどを、契約件数などの数値データと上司による評価、自己評価も踏まえて確認していきます。
また、アセスメントツールやアウトソーシングの評価制度を用いることもあるでしょう。
数値データは客観的な指標となりますが、それ以外については人が評価するのでどうしても主観が入ってしまいます。
たとえば、外部機関に依頼してアセスメントを実施するとしても、アセッサーは感情やミスのないロボットではありません。
そのため、アセッサーを選ぶ際にも注意が必要です。
実績が豊富、ベテランである、観察力や洞察力、分析力に長け、公平で誠実に判断を下せる人物かを見極めるようにしましょう。
一方、上司など社内の人材による評価においては、部下を公平に適正な基準で評価できるよう、研修などを実施することも求められます。
そのうえで評価者を自分と上司だけでなく、先輩や同僚、後輩や仕事で関わりを持つ他部署の上司など多面評価制度を導入して、不公平感や不満が起こりにくい評価を実施するというのも1つの方法かもしれません。

人材アセスメントに正解はない

人事異動や管理職登用のための人事評価をするうえで、人材アセスメントを利用するケースは少なくありません。
ケーススタディを用いたシミュレーション演習や面接演習などを実施すると、対象者ごとに様々な反応や行動をとるものです。
ですが、それに完璧な正解はありません。
実際の仕事の現場でもそうですが、100人いれば100通りの回答や対応、反応があるからです。
では、アセッサーや上司、人事担当者などは何を持ってそれを評価するのでしょうか。
その1つの注目点は結果や結論を出すまでのプロセスであり、その人の思考の行程を観察して評価するということになります。
そのプロセスを丁寧かつ的確に評価できる人材の選択をはじめ、人材の養成を行って置く必要があります。
適正に評価できるための研修をすることや実践的に評価を重ねていくことでノウハウを身に着ければ、人材アセスメントにおける演習でのプロセス評価だけでなく、実際の業務における能力の評価にも役立つことでしょう。

不満が出ない評価を検討

人事評価で不満が出やすいのは結果を出しているのに評価されないケースと、結果は出せなかったものの頑張っているのに評価されないケースなどがあります。
結果を出しているのになぜ評価が悪いのか、単なるえこひいきと思われてはいけません。
たとえば、自己の成績を上げることだけを考えていて、協調性がない、チーム力がない、後輩のサポートや人材育成に寄与していないから評価が低かったと的確に示せるようにしなければ納得が得られません。
一方、結果を数値や業績として残せない人の頑張りを評価するうえでは、プロセスの評価力が必要になります。
どんな行動や業務遂行をした結果、そうなったのか良かった点、改善すべき点を見極めてあげましょう。
この点は評価するが、これを改善できれば結果にも結びつくはずといった分かりやすい評価やアドバイスができれば、評価を受ける人も納得し、もっと頑張ろうと目標設定ができます。
それぞれが納得のいく根拠を数値やコメントを通じて的確に示すことができれば、不満は生まれにくく、スムーズな組織運営と生産効率アップが期待できます。