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人材アセスメントの種類と行う目的とは

そもそも人材アセスメントとはどういうものなのか

人材アセスメントという言葉を耳にすることが増えた今の時代ですが、そもそもどのようなことを言うのかまでしっかりと理解している人は少ないでしょう。
人材を育てるための何らかの社員教育といった漠然としたイメージはあるものの、何を目的に行うのかを知らなければ、受ける方は不安でいっぱいということになります。
企業の方も、せっかく実施してもあまり効果がないというのでは困ります。

人材アセスメントには心理テストや面接、さらには複数のシミュレーションを行うなど、方法にはいくつかの種類があります。
複数実施することが多く、これによって受講する人の行動や態度、ものの言い方などを見極める目的で行われるのが特徴です。
これらのテストにはあらかじめ、会社としてこうあるべきという人物像が決まっていることから、会社が求める要素を備えているかを見抜くために行われます。
そのため、新入社員教育ではなく、管理者となりうる人物かを見極めるために行うことが一番の目的です。

部下との接し方のシミュレーションから見えてくること


まずこの上の画像を見てみましょう。
部下が作成した書類を上司に渡しているところです。

資料が文句の付け所のない出来栄えであれば、内容を確認してOKを出せますが、人材アセスメントではさらに細かいところまで見ています。
資料の受け取り方や、その際の言い方はどうかなどです。
OKの場合とNGの場合とでは、NGの場合の対応の仕方が、OKの場合よりも注目されます。
なぜかと言うと、部下をうまく伸ばしていけるようなものの言い方、態度を示せる人間であると判断できれば、多くの部下を持つ部署の管理者に任命しても、立派に仕事をこなすでしょう。

一方、部下に対する態度がどうもまずいという判断を下すことになった場合、部下を持たせることで会社に不利益が発生する可能性さえ出てきます。
その結果、配属位置が決められ、人事異動が発令されるという流れになるため、管理職においては人材アセスメントとは自分が試される機会という自覚を持って臨む必要がありそうです。

日本ではまだまだ馴染みがないのが本当のところ

人材アセスメントの種類は、先に挙げたように面接や心理テスト、複数のシミュレーションなどがありますが、アメリカにおいてスパイ育成のために開発されたプログラムがもととなっていると聞くと、誰もが驚くでしょう。
スパイ育成のプログラムが、アメリカでは産業界を中心に応用できるとして広まっていったのも面白いところです。

日本ではバブル崩壊後、終身雇用制も同時に崩れ去ってしまったことから、より人材を厳しく見極めなければならないという考え方が生まれ、徐々に採り入れる企業が増えてきました。
日本人にとっては、面接や心理テストには真面目に取り組みますし、自分だけでできることからさほど抵抗はありませんが、こういう状況に置かれた自分の普段の行動を見せてくださいと言われて、人前でシミュレーションを行うということに関しては、かなり苦手意識を持つ人が多いでしょう。
短時間のシミュレーションで、その人のことがどこまでわかるのかと考える人もいるはずです。

短時間で緊張するからこそ出てくる素顔

普段ならまず意識して考え、言葉や態度を選んで管理職としての自分をこう見せようと意識している人も、大勢の人に見られる中、短時間でどのようなシミュレーションが行われるかわからない状況になると、いつもの計算した自分ではなく、素の自分が出てしまうことがしばしばです。
そのため、普段はどっしりと構えている人ほど落ち着きがなくなって書類を落としたり、顔から汗がしたたり落ちたりするといったこともあります。

いつもの仕事の様子を見ている人は、人材アセスメントで行う心理テストや面接といった種類では特に変わりなしと判断したとしても、シミュレーションによって意外な素顔が垣間見えたと考えるでしょう。
そういう意味では人材アセスメントの種類のうち、何が起こるかわからないシミュレーションを行うことが最も効果的と考えられます。
部下を交えたシチュエーションでのディスカッションから、同じ管理職同士で行うディスカッションといった具合に種類を変えてみるのも効果的でしょう。
人の意見に耳を傾けるのか、はたまた積極的に発言するのか、あるいは否定的な意見ばかり言うのかなどといったことから、社員に対して企業が管理職の適性を備えているかどうかを判断しているのが、人材アセスメントなのです。