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人材アセスメントが必要とされている背景と対策

人材アセスメントが必要とされている背景と対策

人材選択の不適合が企業の信用問題に繋がる

最近、セクハラやパワハラ、不倫問題をはじめ、問題が発生した際のリスク対策の遅れなど企業や教育機関、公的機関における信用失墜問題が増加しています。

かつてはセクハラやパワハラなどのデリケートな問題が生じても、被害を受けたほうは声を上げにくく、仮に問題化しても社内で処理されて外部へ明るみに出ることはほとんどありませんでした。
ですが、今の時代は被害者が声を上げやすい環境が作られていたり、SNSを通じて個人が手軽な手段で情報発信をしたり、週刊誌をはじめとするメディアに接触して情報を拡散させやすい状況になっています。
そのため、昔であれば大事にならなかったようなことでも、メディアの批判にさらされ、国民から非難や反発を受ける大きな問題に発展してしまうケースが少なくありません。

ピラミッド型の組織において、社内評価を受けて勝ち上がってきた社内では有能と評価されている人物を、部長や課長などの重要なポジションに就けたにもかかわらず、パワハラやセクハラ、モラハラなどの問題で、その人物だけでなく、企業の信用まで失われる事態になり、事態の収拾のために業務に支障が生じたり、取り引きを拒まれたり、売り上げが低下したりすれば、莫大な時間と費用の損失が生じてしまいます。

こうしたトラブルや企業の信用失墜や損失を防ぐためにも、適正な人材アセスメントを通じた社外的にも有能な人物の選択が求められています。

ヒューマンエラーの防止やリスク管理にも必要な適正評価

人材アセスメントを通じた、有能な人物の選択が不可欠になってきている

パワハラや不倫、経費流用などの問題をはじめ、近年は注意不足や経験不足などのヒューマンエラーにより、人命にも関わるような重大なインシデントが引き起こされたり、スタッフの軽はずみな発言や情報発信が元になって企業の公式SNSが炎上したり、不買運動などに繋がるケースも増えています。
その謝罪会見の席で司会進行を務めた広報スタッフのミスリードや無責任な発言を通じて、さらに状況を混乱させたり、信頼の失墜や世の中の批判の的になってしまったりすることが少なくありません。

今の時代は国民の全員がレポーターであり、告発者であり評論家のようになっており、手持ちのスマホでリアルタイムで証拠画像や映像を撮影したり、音声を録音するなどしてSNSで発信したり、メディアに提供して、問題が大きく取り上げられることが当たり前のような時代になっています。
こうした時代にあっては、適材適所の正確性がより求められており、インシデントやトラブルの発生防止や起きてしまった際のリスク管理を的確に行うためにも、管理職などに就ける際や各部署や職種に人材を配置する際には、その人物に能力的にも倫理的にも経験的にも適正があるのかを十分に検討、評価することが求められます。

時代の状況が大きく変化し、世の中がセンシティブになっている環境にあっては、年齢や勤続年数、経験を問わず、問題を引き起こすリスクがあります。
そのため、現在の人材アセスメントを見直し、経験が豊富な方であっても、時代の流れに対応できているかや柔軟な対応力があるかを評価し直す時期にきているかもしれません。

一方、年齢の若い世代ではSNSの使い方などに気を付け、安易な発想や軽はずみの行動が大きな社会問題や企業の信用失墜を招くことの重大性を認識しているかなどを含め、時代のニーズを反映した尺度で人材アセスメントを実施するといった対策が求められます。

第三者機関を通じた適正な評価で適材適所を

これまで人材アセスメントを社内基準で行ってきた企業も、これからの時代は第三者機関や専門機関を使った対策が求められるかもしれません。
時代の要請や新たな価値基準などに基づいて評価基準を見直し、作り直すには時間も労力もかかるとともに、評価し直すにも多くの時間が必要になって、スピード社会においては後手に回ってしまう危険性があるからです。

自社の評価ではどうしても長く勤めていた方やこれまで勝ち組として昇進を続けてきた方を、あの人なら大丈夫だろうと判断してしまったり、あの人を低く評価するわけにはいかないといった遠慮も出てきてしまったりします。
若手の人材に対しても、このくらいの常識はあるだろうとか、まさかこんな行動に出ることはないといった思い込み基準で判断しやすく適正な評価ができないためです。
専門機関には人材アセスメントのための科学的な評価基準なども準備されており、プロのノウハウが利用できます。