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公務員における人事評価のための目標設定やその事例

公務員における目標管理制度

公務員は国家公務員の場合は人事院による管理制度、地方公務員では各自治体における人事規定などによって管理が行われてきましたが、従来の人事評価基準は一人一人の目標を定めて個別に管理するというよりは、同期で横並びであったり、適材適所も関係なくローテーションで人事異動をするといったケースが目立ちました。

近年では民間企業などでも導入が進んでいる目標管理制度を導入する自治体も増えてきており、市長などの積極的な推進のもとで導入と実施が勧められています。
公務員は法律にのっとって制度内で働くといった側面が強く、自主性や積極性、型にはまらない方式はあまり重視されていませんでした。
ですが、目標管理制度を導入した自治体では、各部長や課長の業務目標を設定して、その進捗や実行を各人が自ら主体的に管理・評価する制度を導入し、そのレビューに基づき、より業務を効果的かつ効率的に行うなどの手法を採り入れています。

自治体における目標管理制度の導入について

公務員における人事評価のための目標設定やその事例を知る

各自治体が目標管理制度を導入するにあたっては自治体の総合計画や市長のマニュフェストなどの積極推進策が必要となりますが、対象組織ごとに年度ごとの組織目標を設定するところから始まる例が多くみられます。
組織の目標を明確化・共有化することで組織の活性化と組織力の向上を図り、市民への満足のいく行政サービスの提供をはじめ、計画的で柔軟な市政運営を推進することを目指すものです。

具体的な目標設定の例

部別組織目標としては自治体における総合計画などを実現するために、当該年度における部長職としての達成すべき目標をマニュフェストとして掲げる例が挙げられます。
部の重点施策としては組織目標を具現化するための方策や対策をはじめ、行政運営上の個々具体的な方針が明記されます。
そのうえで、重点施策ごとに当該年度において何をどのような状態にするのかを掲げた具体的目標や課題を明確にし、具体的目標を達成するための具体的な方法と手段、スケジュールを掲げるといった内容です。
支所別組織目標としては関係部の重点施策をはじめ、支所ごとに作成する地域振興計画などを実現するためのマニュフェストが掲げられます。
こちらも同様に目標を達成するうえでの課題や具体的な手段、いつまでにというスケジュールが定められるのが基本です。
課別組織目標は、所属部で掲げた組織目標や重点施策をはじめ、それぞれの部署における所管事務を実現するための課長職としてのマニフェストを掲げるとともに、それを実現するための具体的な手段や方法、スケジュールなどが明確化されます。

レビューと活用

自治体における目標管理制度ではレビューを中間レビューとして事業年度の半年が終わった10月と、事業年度の終わりである3月に実施することが一般的です。
中間レビューでは対象組織ごとに年度の中間点として上半期の業務運営を振り返り取組実績による現状の把握を行うとともに、下半期に向けた課題と取組の整理が行えれるのが基本的な作業です。
事業年度が終わる3月のレビューでは目標の達成状況の確認が実施されます。
対象組織ごとに年度を通した業務運営を振り返り、目標達成状況のために行った取組実績の検証、目標の達成状況の確認、目標達成による効果と達成できなかった場合はなぜそうなったかの理由を明確化することが求められます。
中間レビューは上半期での進捗度を各部門長や課長が自己評価を行い、3月の最終レビューでは年度初めに掲げた目標に対する達成度に対して自己評価が行われる仕組みです。

レビューをしてその年度の取り組みの達成度や達成できなかった課題や、取り組み法の問題点などを洗い出すとともに、次年度に向けての引継ぎ事項として当該年度に実施した重点施策や重点事業における課題などを洗い出し、当該年度の未達事項やなぜそうなったかを検証しながら、翌年度の目標の設定へと生かすのです。
目標管理制度におけるレビュー結果を、次年度の組織目標へ活用したり、反映させるにあたっては、PDCAサイクルを用いる例が一般的です。
市政運営の計画的かつ柔軟な推進ができるように、PDCAサイクルを用いて次年度の組織目標として重点施策や重点事業の設定に反映させます。
前年度に達成した活動実績や達成度、当該年度を通して整理し課題などを踏まえて重点施策や重点事業のの次年度における具体的な目標を明らかにし、次年度における課題や懸案事項についても定めます