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現代企業で求められるメンタルヘルスマネジメント

現代企業で求められるメンタルヘルスマネジメント

従業員のメンタルヘルス対策を講じる必要性

近年のストレス社会においては従業員の体の健康はもちろんのこと、精神的な健康の維持や改善、向上を図っていく対策を講じることが企業にも求められています。
企業では従業員の健康維持を図るために、毎年の健康診断の実施や必要に応じた保健指導が求められていますが、身体的な健康の対策に加えて精神面でのマネジメントも必要です。
というのも、近年は職場環境や業務負担などによりうつ病を発症したり、働き過ぎや仕事のプレッシャーから引きこもりになったりする方や自殺などの最悪な事態が起こるリスクが増大しています。
こうした最悪な事態を引き起こさないように従業員の精神面のケアを行い、メンタルヘルス不調を起こさないように対策を講じていくことが大切です。

パワハラやセクハラで精神を病み、膨大な残業などのハードワークでうつ病になる方や自殺者が出るとブラック企業と社会から批判を受け、企業の信頼や信用の失墜にもつながるため、予防対策を講じるとともに、精神的にも快適に安心して働ける環境作りが求められているといえるでしょう。

組織全体での対策

メンタルヘルスを健全に維持し、精神的にも快適に安心して働ける環境作りが求められています。

メンタルヘルスを健全に保ち、うつ病などを防止するためには組織全体での体制作りが求められます。
個人に任せたり、部署や上司に任せたりするのではなく、会社が先頭に立って働き方改革や組織改革をしていかなければなりません。
たとえば、ノー残業デーの設定、20時以降の残業禁止や全館消灯をはじめ、有給休暇の取得促進や交替でのリフレッシュ休暇の取得、サービス残業や出退勤時間の修正などが行われないよう、パソコンの電源オン、オフを通じて自動的に会社での滞在時間を計測するシステムなどの導入など、従業員が長時間労働を強いられず、精神的、体力的な負担を負わずに働ける環境作りや体制作りが求められます。

残業をしなくても業務を効率的に行って業績の維持や向上を図るにはどうすればいいのか、快適に働ける環境を作って従業員のモチベーションアップや離職防止による人材確保を図っていく上で、どのような対策や体制を構築していけばいいのかをマネジメントすることがポイントと言えるでしょう。

個別の対応

組織としての体制作りとともに、従業員一人一人の意識付けや負担を感じる前に助けを求められる環境作り、1人で抱えこまないようにする取り組みも大切です。
仕事に集中したり、プレッシャーなどを感じながら頑張ったりしていると、自分でも精神的に追い込まれているのに気付くのが遅れてしまうケースも少なくありません。
精神的に問題が生じていないかやストレス度のチェックができるシートなどを用意して定期的に実行してもらい、ストレス度が高くなっていたら仕事の仕方を見直す、同僚に業務を分担してもらう、上司に相談する、無理せずに休む、有給休暇を取得するなどのアクションを自ら起こせるようセルフマネジメントに向けた啓もう活動や環境作りも求められます。

ストレスレベルを図れるテストを、パソコンの人事システムのマイページなどに用意するなどすれば、業務の合間などに気軽に実行でき、ストレスで潰れてしまう前にコントロールしやすくなるでしょう。

管理職層への動機付けや研修

メンタルヘルスのケアやうつ病・自殺などの防止のための対策を講じる上では、経営層や人事部などを通じたトップダウン式のマネジメントや従業員一人ひとりに対する下からの啓もう活動やセルフケア対策の実践だけでは足りず、その中間層にあたる部長やマネージャー、店長などの管理職層への意識付けや意識改革がとても重要になってきます。
部下に対して残業を強いたり、プレッシャーをかけたりする立場にあるだけでなく、自らが部下と会社から課された業績目標などとの板挟みになり、精神的に追い詰められやすい立場にあるからです。
管理職層がうつ病になって会社を休職したり辞めたりするケースや自殺するケースは実際にも多いので、加害者的な立場にも被害者にもならないように丁寧な指導や研修などを行って、ストレスを与えたり抱えたりしないための対策を講じる必要があります。

人事部や経営幹部が直接話をする機会を設けるほか、心理カウンセラーや産業医、セルフマネジメントなどに詳しい専門家などの外部講師を招いて、実効的な研修を行うといいでしょう。
パワハラなどの防止や業務の棚卸しと合理化による残業時間の軽減など、部下をはじめ、自身に対しても動機づけができるようにしましょう。