性格適性検査は考えさせない検査
性格適性検査にはいくつか種類がありますが、そのほとんどが300問近くの膨大な問いを、30~35分程度で回答するようになっています。
つまり、会社側の意図を考えて、いかにも気に入られるように回答しようと画策する時間は、ほぼありません。
もちろん全問回答する前提ですので、じっくり考える余裕はなく、直感で答えるのが本来の方法です。
近年では、ある程度の規模の企業であれば、新卒採用で性格適性検査が実施されるのは当たり前となっています。
集められた会場にてマークシート方式で行われる場合もありますし、自宅からweb上で受けたり、パソコンのある受験センターで受けたりする方式もあります。
出題形式はA、Bいずれかを選ぶタイプや、あてはまるかあてはまらないかを選ぶタイプなどが織り交ぜられています。
質問を変えて同じことを何度も聞かれるようにできていて、答えが矛盾すると正直さに欠ける人物としてマイナス評価になるので注意が必要です。
誰しも入社希望の会社からはよく見られたいと考えるのは当然ですし、見栄も張りたくはなるでしょう。
ただ結局のところ、表面上だけ取り繕っても破綻するように作られているので、そこは覚悟を持って取りかかるべきです。
どんな回答が望ましいのか
会社が求める人物像を創り上げようとしても無理がありますので、性格適性検査に関しては、基本的には自分に正直に回答するのがベストです。
ただし、強いて言えばバランスの良い回答が望ましいでしょう。
極端ではありますが、300問全部があてはまるに該当するような偏った人物像はちょっと想像しにくいですし、逆にすべてあてはまらないという人もいないでしょう。
検査官が直観で素直に回答するように指示しているのに、なんらかの意図を画策するような人物でも困ります。
一番良くないのが矛盾する回答を出す人物で、どんな企業からも敬遠される原因になりますので、策士策に溺れるようなことのないよう注意しましょう。
また、理想的な回答が作れたとして、実際の自分とはかけ離れた人物像が出来上がったとしたら、その後の社会生活がうまく行くとは考えにくいです。
会社はその結果を元に、適合する職種を提供しようとしますから、たとえ働くことになったとしても本当に続けられる仕事になるのかどうか、不安ではあります。
だからと言って、自分の良くない傾向を素のままさらけ出すのが良いわけでもありません。すぐにカッとなって怒る傾向があり、自分でも良くないなと思いつつ、真実だからと言って正直に答える必要もありません。
コツとしては、面接を受けているのと同じように回答することです。
実際に面接のときに同じ質問をもっと深く掘り下げて聞かれることはよくありますから、そのときにチグハグな答えをするようでは問題です。
目の前の問題は面接官から聞かれていることだと思って回答すれば、おそらく矛盾もなく、自分の良いところを伝えることができるでしょう。
性格診断で落とされる人の共通点とは
人となりを見るだけ、業務適正を見るだけと言いながら、検査の結果落とされてしまう人はいるわけですから、ふるいにかける行為であることは事実です。
それではどういった人が落とされてしまうかと言うと、まず間違いなく第一に挙げられるのが、矛盾回答をする人です。
先ほども書いたように、同じ内容の書き方を変えて何度も質問するのが性格適性検査です。
正直に答えていれば起こらないはずのものですので、噓をついていると判断されてしまいます。
ほかには、回答に一貫性はあるものの、思考が極端に偏っているようだと敬遠される場合があります。
自分の意見を曲げない、自分で決めたことは最後までやり通す、これらはとても信念の強いまっすぐな人物像にも見ますが、頑固で意思の疎通が取れない協調性のない人物とも言います。
ただこうした傾向をどう評価するかは企業によって千差万別ですし、結局は企業風土や求める職種に向く向かないといった総合判断にゆだねられます。
何より協調性を重視するのか、指示待ちではなく自分から動ける行動力を重視するのか、そこは企業側の方針や社風、業界や職種によって都度判断は変わるでしょう。
そして同じ企業内でも、部署ごとに適正は大きく変わる場合があります。
つまりは、あれこれ考えて画策しても正解はその場の数だけあるということです。
落とされないようにするためには、まず回答の方向性には一貫性を持ち、面接のときに矛盾するような内容にならないように面接を想定して受けるのが一番です。