採用担当者にとって一番頭の痛いこととは
会社で人事担当、しかも採用担当者となると一番頭の痛い仕事は面接でしょう。
履歴書や職務経歴書を見たところ、まったく申し分なしという人材が応募してきたとき、会社にとって戦力となる人材だとうれしく思う反面、どうして前の会社を辞めて転職してくる気になったのだろうという疑問が湧いてくるからです。
これだけ申し分のない職務経歴があるのなら、辞める理由は会社そのものにあったのか、それとも転職希望者本人にあるのかを見極めなければなりません。
これが採用担当者たる者のもっとも重要な、人材を見抜く目というものが問われる仕事と言っていいでしょう。
そのため、厳しい目で人材を見極めようと、ときには鋭い視線を送って応募者を見つめる採用担当者もいると思われます。
採用担当者が見抜きたいのは応募者の本性
履歴書は非の付け所がなく、さらにはこれまでの仕事の経験を記した職務経歴書にも、優れた実績を挙げたということがずらりと書かれていると、ますます人材を見抜くことが重要になります。
実際のところ、応募者の本質を見抜くための質問を採用担当者は持っています。
この質問によって応募者のだいたいの本性がわかると言いますから、だてに採用担当者を任されているわけではないのは明らかです。
では、具体的にどのようなことを聞けば、応募者の本性がわかるのかということが非常に気になります。
意表を突く質問をする
応募者としては、どれだけ自社のことを知っているのかや、これまでの仕事の経歴、さらにはなぜ転職したいと思ったのか、自社を選んだ動機などを聞いてくるだろうという予想を立てているはずです。
実際、転職の際に一番に聞かれるのは、なぜ転職をしようと思ったのかだということは、情報として多く提供されているからです。
そのため、これらに関する質問を採用担当者が行った場合、履歴書と職務経歴書同様、非の打ち所がない完璧な返事が返ってくるでしょう。
そのため、あえて意表を突く、応募者が想像もしていなかった質問をするのです。
いわゆるマニュアルにない質問をすることによって、応募者の本性を探るのが目的です。
例としては、自分をどんな人間だと思っているかや、仕事以外でどんな夢を持っているか、あるいは生きがいは何ですかといった具合に、仕事に関係のない質問をしてきます。
こうしたことを聞かれるとは思っていなかった場合ほど、意表を突かれてドギマギしているうちに、つい、本性が出てしまうのが人間の特徴です。
アウトになるのはどんな本性なのか
不採用になった場合、応募者としては非の打ち所がない経歴なのにアウトになったのはなぜなのか、大いに不満に思うでしょう。
それは、採用担当者によって本性を見抜かれたからです。
意表を突く質問を受けたとき、時間がかかったとしても懸命に考え、答える人は誠実な人柄だと判断されます。
一方、予想もしていなかった質問に驚いてしまうということもありますが、自分はどんな人間かと問われて、考えたことがないとか、考えないようにしているといった返答をする人は、尋ねられた質問に対しても考えないという選択をしていることになり、想定外のことは何とか粘って対応していくという気概がない人物と判断されます。
自分の生きがいについて語れるかどうか
人間は何か生きがいがあれば、逆境を跳ね返す力が湧いて出てくるもので、まったく何の生きがいもなく生きている人は、ただ単に毎日を流れるままに過ごしていると言います。
たとえ仕事に関することではなくても、これを生きがいとしていると熱く語れる人は、仕事に臨むときも一生懸命に取り組む傾向が大きいと見られます。
与えられた仕事をこなすだけではなく、仕事に真剣に向き合い、自分にできることは何かを考えることができるという人は、生きがいを持って生きていることが多いからです。
たとえ、家族のためにお金を稼がなくてはならないという人でも、家族のために働くということが生きがいとなっていると言えるでしょう。
その際、家族を養うことが生きがいという言い方をする人よりも、家族が自分の生きがいで、その家族を守るために頑張って仕事をしたいと考えていると言える人の方がより誠実であり、会社にとって欲しいと思える人材となるのは明らかです。
一言で言うなら、採用担当者が見抜こうとしているのは、誠実な人物かどうかと言っても過言ではないでしょう。