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人材アセスメントを会社で行う場合に適正に評価を行う方法

人材アセスメントを会社で行う場合に適正に評価を行う方法

人材アセスメントの目的と対象者における問題

人材アセスメントは企業にもよりますが、事業年度の中間地点と事業年度末などに実施され、ボーナスの時期とも重なることから、評価を受ける社員からするとボーナスの金額が決まるための評価制度と誤った認識がされることも少なくありません。
そのため、いかに良い評価を得ようかと、達成しやすい目標を掲げたり、達成できない場合でも自分のせいではなかったように自己評価を行うケースも見られます。

人材アセスメントは半年おきのボーナスの金額を決めるための制度ではなく、本来は各人の能力ややる気、実績などを正確に把握しながら、組織として個人としての目標をクリアしながら人材の成長と企業の安定成長を目指していくための制度です。そのため、目標が達成できることだけが良いのではなく、もし目標が達成できないのであれば、どこに問題があったかを自分の頭で考え、上司のアドバイスも得ながら、今後の課題としてブラッシュアップを図っていくことが求められます。
その時点での自己の強みと弱みをアセスメントによって把握し、自己成長を遂げ乍ら、企業の業績や成長に貢献できる人材になっていくことを目的とした制度です。

評価者における問題

人材アセスメントを会社で行う場合に適正に評価を行う方法

一方、部下のアセスメントを行う上司においても問題や課題は少なくありません。
多くの部下を抱え、自己の業務も忙しいうえ、自分も管理職としての評価に気をとられたりして、評価を与える部下一人一人をきめ細やかに見られない可能性があります。
時間や能力の制約があるために、活躍している部下ばかりが高評価になってしまい、コツコツと頑張っている地味な部下は活躍度が低く評価されてしまうことも少なくありません。

また、上司といえども、その企業で下積みから働いてきた人間であるため、主観的な感情が動いてしまうことも否めません。
ずっと行動を共にしてきた同期だからとか、可愛がってきた部下だからと高評価を与えたり、大目にみてしまうケースもあることでしょう。
一方で、ほとんど接触がない部下を適正に評価できなかったり、仕事のミスが多い、ペースがのろいなど部署を乱している部下は、その理由などを考えることもなく低能な人材として低評価を下しがちです。
その人材は低能なわけではなく、その部署に合っていない、職種や業務が合っていない可能性もあります。

それを見極めることができれば、他部署への異動などを通じて、能力を発揮し活躍できる場が与えられ、企業の業績に貢献できるかもしれないのです。
それは決して能力のない部下を左遷することではなく、部下にとっても部署にとっても、企業全体としてもメリットにつながることです。
この点、適正な評価ができる能力を社内の管理職や役員クラスに求めるのは、限界があるのではないでしょうか。
そこで、企業が適正に人材アセスメントを実施するうえでは、外部の専門業者の力を借りるのも有効なのです。

人材アセスメントはプロを活用

企業内での人材アセスメントというと、目標管理制度の導入とそれに対する自己評価と上司のレビューというふうに、紙の中で終始しがちです。
実際の業務遂行プロセスや、目標達成に向けての努力や活動そのものを見るというよりは、それを紙に落として評価するので、本当の頑張りを適正に評価できなかったり、過大評価もされがちです。

これに対して人材アセスメントのプロにおいては、特定の研修や演習などを実施して、一人一人の思考パターンや行動パターンなどを緻密に観察、記録し分析したうえで評価を下していきます。
本来の業務を遂行する作業ではありませんが、一定の課題を与えてシミュレーション演習をさせてその判断力や実施能力などを確認することで、適正な人事配置や管理職登用などに役立てることができます。
日頃の業務の評価では、その業務の達成度しか分からず、達成できなければ定評かを受けるだけです。

ですが、研修やシミュレーション演習を行う評価手法では、その人の強みや弱み、興味や関心、どんな能力に長けているのかなどが把握できます。
これによって、本当はこの業務に向いている、この職種なら能力を発揮できることが分かったり、リーダーや管理職としての能力に優れているとか、今はまだ無理があるけれど育成すれば伸びるなどの判断がしやすくなります。

この分析結果をもとに、より適材適所の人材配置や人事異動を行ったり、マネジメント職などの登用や育成に活かせれば、社員にとっても会社にとってもプラスに働くでしょう。