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訓練次第で適性検査のクレペリン検査はクリアできる

公庁でも採用されている検査

クレペリン検査は計算能力や集中力を測り、精神の安定性を知るための試験です。
内田クレペリン精神検査というのが正式名称で、公庁でも採用されている特徴的な検査です。
注意力や集中力を必要とするミスの許されない職種への適性度を見るのが目的で、公務員などのほかでは鉄道会社が運転手の採用に用いることもあります。
作業量が多く、しかもそれが刻一刻と変化する中で、誤回答をいかに少なくするかが問われます。
試験は全体で35分ですが、前半15分が終わったところで5分の休憩があり、後半の15分が行われるようになっています。

この試験の基となったのは、ドイツの精神医学者エミール・クレペリン氏の理論です。
それを日本の内田勇三郎氏が発展させ、今の形になりました。
日本では心理テスト国産1号と言われるほど長い実績があり、この60年ですでに5000万人以上もの受検者を輩出しています。
それだけ古いものでありながら、現在も変わらず官公庁や企業で年間100万人の受験に採用されているというのが素晴らしい点でしょう。
その優位性は能力と性格適正を同時に測れるところにあり、言語の異なる外国人でも受検が可能な汎用性があります。

どんな試験なのか

クレペリン検査を採用している一般企業はあまり多くはありません。
試験内容はとてもシンプルで、1桁の数字における左右の和を10で割った余りを、その数字の間に書き込むというものです。

例えば、左から3,8,5と数字が並んでいた場合、3と8の間には1を、8と5の間には3を書き込むのが正解です。
とてもシンプルですが、一列には116個のランダムな数字が羅列されていて、行は30行弱あります。
一見して膨大な量の数字を相手に、一つずつコツコツと足し算をしては書き込んで行くという作業になります。

しかも自分のペースで進めるのではなく、監督官が1分経過する度に次の列に移るよう強制されます。
この作業が15分間続けられるわけですが、簡単なようでかなり集中力が必要とされ、しかも結果を通して能力や性格までもが一度に測定できる優れた検査なのです。
判断されるのは作業曲線というもので、各行の最後に計算された数字を上から結んで行ったものを指します。
この曲線を見ると平均との差が一目瞭然で、受験者の能力だけでなく性格まで推し量ることができると言われています。

企業は作業曲線をどう見る

当然、解いた数が少なければ作業曲線は全体的に左寄りになるので、すぐにわかります。
処理能力の速さはこの作業量から判断することが可能でしょう。
性格を知るには、誤答数から判断することができます。
いくら解くのが早くても、ほとんど間違いでは問題外となります。
クレペリン検査でわかる特性は、取りかかりの良し悪し(発動性)、気分や行動の起伏(可変性)、作業を進める勢いの強弱(亢進性)の3点です。

基本的に望ましいとされる結果は、116個のうち60個以上作業が完了していること、前半の作業曲線がU字型、後半の作業量が前半を上回るが徐々に減っていくといった定型です。
U字型になるのは、最初は勢い良く作業を行うものの中だるみがあり、最後にまた盛り返すという作業の典型例です。
定型が良いとされるのは、著しく外れる結果は精神面不安定が考えられ、仕事にムラが出る懸念があるためであり、定型を保ちつつ、なおかつ正確で作業量が多いのがベストと言えるでしょう。

クレペリン検査は対策できる

クレペリン検査を採用している企業はそう多くはありませんので、まずは希望する企業で行われるかどうかを確認しましょう。
実施されることが確定したら、対策のためのテクニックを身につけるのがおすすめです。
とは言ってもこれは単純作業の訓練でしかありませんので、実際に紙と数字を用意して練習するのが一番です。
コツは答えを暗記しておくことで、下一桁がすぐに出てくるよう覚えておくと良いでしょう。8と2なら0、5と7なら2というように、数字を見たらすぐに答えが頭に浮かぶくらいになっておけばベストです。

クレペリン検査で出されるのは1~9の数字と決まっていますので、覚えることはそう多くはありません。
最近では紙に鉛筆で書くというシチュエーションも減って来ていますので、手を使って身体で覚えておくことも重要です。
クレペリン対策は、ほかの適性検査対策よりは優先度は低めですが、訓練すれば良い結果が出やすいテストですので、しっかり訓練しておけば良いでしょう。